alsdaskind’s diary

映画の感想にはネタバレがあります

藤本タツキ読切「ルックバック」感想とチープで脆弱な有象無象への批判

(前書き)

これは7月末に最終更新をかけたまま結局完成させずに放置していた感想。

書籍化された紙本が流通していてそれについて書いたので、リアタイの感想はこうだったよ、という意味合いで残しておく。

途中であきらめたのでタイトルは全然回収できていないがそれがメインテーマだったのでこれも残しておく。

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藤本タツキ「ルックバック」

2021年7月19日ジャンプ+で公開

 

【感想】

・漫画が上手い

・刺さるとか言ってる人はよくわからんかった 私の情緒や感情は揺さぶられなかった ただただ上手い漫画だと思った 良い漫画だとは思わなかった

 

【批判】

・悪質な信者の態度がグロテスクすぎる

・揺さぶられた感情に引きずられてそれ以外のことを無視して絶賛してる人が多い(創作をしない人は漫画を消費する立場としてそうだし、アマチュアの創作者での自分に重ねてなんか陶酔してる)

・創作者が認識しなければならないのは藤本タツキの技量よりもむしろその外にある倫理的な・対外的な問題点ではないのか

・「画力で殴る」という表現のされ方をするホモソーシャル性、マッチョ思考

 

藤本タツキに対する感想まとめ】

・この人映画をたくさん観てるらしいし映画の手法や人間の動き方は取り入れてるんだろうけど映画が本質的に描く「人間という存在のどうしようもなさ」は別に愛してないんじゃないかと思う

・技術的に上手で向いてるし執着心があるから漫画描いてるだけで人間を描く気はあんまりないのかなって感想

・読切はこれと「妹の姉」を読んだことがあるけど自己投影激しくて、冒頭の「学校にすら来れない軟弱者に漫画が描けますかね」みたいなところは作者の嫌なところナチュラルに圧縮されてるな~と思った どちらも私小説的だし

・作品から立ちのぼる「「田舎生まれ田舎育ちの狭い所での競争」に対する意識がずっとあるよね、東京生まれ東京育ちの人はこういう漫画描かなさそう」って話

・担当編集が手綱握る能力がないか、社としてこれくらい話題にさせた方が金になるから放置してるゴミクソ倫理かのどっちか まあ今までのジャンプ編集部の態度見てると後者だろうな